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『ライトスタッフ』

 執筆中だった(笑)。
 この映画少なからず、今の教育事情につながっている。

 時期は米ソが宇宙覇権でしのぎを削っている頃。まだ人類が成層圏から外へ出たことがない頃。

 結論から行くと、ソ連の勝ち。無人打ち上げも、有人打ち上げもソ連が早かった。アメリカは文字通り地団太踏んで悔しがった。1説によると、ドイツから持ち帰った資料の量がものを言ったとか。ドイツはⅤ2ロケット開発の先駆者。その開発資料をソ連が。科学者をアメリカが持ち帰ったという噂。

 特にソ連が打ち上げた『スプートニック』というロケットに自由主義圏は打ちのめされた。
 『スプートニックショック』という。
 慌てたアメリカがジェット機パイロットを急遽宇宙飛行士に切り替えようとした。その頃ジェットパイロットたちは、音速マッハ1を超える争いに血道をあげていた。
 ジェットパイロットは誇り高き男たちで、全く無名だったNASAを歯牙にもかけていなかった。
 国家戦略として、宇宙飛行士になって国家の英雄になった男たち。あくまでもジェットパイロットとして貫いた男たち。その頃の映画。

 で、なぜこれが教育に影響したかというと。『スプートニックショック』は日本にも大きな影響を及ぼした。『理科教育』に莫大なお金が下りた。
 日本はもちろん自由主義圏の極東の要。ソ連の南進を不沈空母として楔(くさび)を打ち込んでいる。
 『科学者・理科系学生を多く育てるのが共産圏の独走を許さない。』という大義名分の下、学校教育費の1/3にもあたる特別予算が組まれた。『理科教育特別振興費』略称『理振』といわれる。
 50歳前後に理科好きが多いのはこれに所以する。
 理科室が潤った。顕微鏡、天秤、ポンプ、光、音、運動、等々の教材が湯水のように注がれた。どこからそんな資金が来たのか。時代背景を観ると面白い。隣の国で戦争やってた。その景気で理科教育が潤った。

 少年だった勘朝はもろにその影響を受けて。理科の面白さに捕らわれた。
 
 教育は政治に翻弄される。『スプートニックショック』で教育内容がドカーンと増えて、子どもたちの学力が付いて行かなくなった。登校拒否やいじめの芽が生まれてきた。
 で、方向転換。学習内容の削減が始まる。そして、いきつくところまできた。ゆとり教育。その子達の低学力たるや。
 少なくとも現職として書くことは出来ない。25年後の教師なら書いてもいいが今は書けない。

 ゆとり世代は社会ではあまりにも使い物にならない。必ずそういう時代が来る。いやもう来ている。
 ピタゴラスの定理やコーシー・シュワルツの不等式を知らない学生が増えている。
 上は25歳、下は高校1年か。

 子どもたちが悪いのではない。時代に翻弄されている。
 一番悪いのは当時のゆとり教育を推進した、寺脇腱。福岡県出身。ちゃっかり自分の子供は私学に入れて『ゆとり』からはずしている。今はどこかの大学教授に収まっているはず。こいつの責任はあまりに重すぎる。

 『詰め込み』がいいとは全く思わない。しかし、『ゆとり』はほとんど何も残していない。
 『生活科』も『総合学習』もすぐさま取っ払って、1年生から『理科』『社会』を学習させる。英語や情報教育なんてさっさとやめて『国語算数理化社会』の教科内容、時間数を増やす。

 日本の子供たちの学力を上げる道はこれしかない。皆わかっているはずなのに八方ふさがりでやれない。


 おっと話がずれている。『ライトスタッフ』だった。でもこの意見は『ライトスタッフ』=『正しい意見者たち』に違いない。
 ふーっ。長かった。

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2010年05月10日 23:16に投稿されたエントリーのページです。

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