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次の闘い。

 毎年夏休みになると教師は研修会で結構忙しい。いろんな研修会が目白押し。

 夏休みの研修会で、20年以上毎年参加している研修会がある。
『福岡市人権教育夏季研究集会』
主催は、教育委員会ではない。『福岡市人権教育研究会』略して『市人権』任意団体、誰でも会費さえ払えば入会できる。入会金は1000円。
 昔は『福岡市同和教育研究会』略して『市同研』。と言っていた。
 『差別に対する科学的認識を深め、あらゆる差別の撤廃につながる豊かな人権教育を創造する。』
 という啓発活動を主たる目的として活動している。
 『同和』から『人権』と名前を変えたのは同和教育のみでなく人権問題あらゆるところに視点を当てて啓発していくことに視点を変えたから。でも、色々言ったって軸足は同和教育すなわち部落差別を無くすことに変わりはないはず。

 ところが、(ここからが本日言いたいこと)夏季研究集会に行ったところ、第5分科会でちょっと様相が変わった。講師が二人。見目麗しい(みめうるわしい)20代と30代思しき女性二人。嬉しくなった。
 見目麗しい30代の女性の目が異様だった。鋭すぎる。人をいすくめる眼を持っていた。修羅場をくぐっている眼を持っていた。
 肩書きを見ると、とある支援施設のケースワーカー。不思議な眼を持っている女性だなぁと話を聴いていた、しばらく聴いていてぶっ飛んだ。ホントに椅子から転がり落ちそうになった。
 なんと身分が現役の刑事ときた!!誇らしげに逮捕した経験を語る。「ホントかよ!」って感じ。
「逮捕って軽く言ってるけど、人の人権を奪う行為だろ?罪は犯してるけど『人権を奪う行為』を国家権力の元で合法的に仕事としてやって給料貰う連中だろ?人の人権を奪う行為で生計を立ててるものを『人権を大切にしようとしている研究団体』が講師として迎えている不条理に誰も気づかないの?文句言わないの?」ずっと考えていた。「いろんな講師を選んでもいいけど、最後の一線をあっさり越えていいの?」考えすぎだろうか?

 これが他の学校警察連絡会(略して『学警連』)の研修会だったら驚きもしなかった。こともあろうに『市人研』の夏季研修会。部落の完全解放を目指していた(こうなったらあえて、過去形で表現する)啓発団体の研修会に現役の刑事が講師として招かれている。それに何の疑問も持たずに聴き入っている教師達。
 あまりに驚いたので周りを見回しても誰も驚いていない。納得しながら聴いている。先日勘朝日記にも書いているように、今現在警察から不当逮捕を受けようとしている自分の立場、警察国家権力と戦っている善良な一市民からするとどうしても納得いかなかった。
 あまりに居場所がないので、その分科会を途中退席した。周りの教師からは『会の途中なのに失礼なヤツ』といった視線を受けたが、平気。鬱病患者には恐いもの無し(笑)。

 まだ『狭山事件』の解決はすんでいない。
 (※参考『狭山事件』野間宏著 岩波書店 絶版 ネットにはある。石川一雄さんの無罪は200%確実。犯人はO.G.という人物に間違いはない。書籍には実名がズバリ載っている。知りたければ薦める。教育学部の学生は必読の書。彼は事件二日後に謎の自殺をしている。結婚を控えているのに。じっくり読めばなぜ石川さんが有罪になったかよくわかる。部落差別の現実が大きく横たわっている。)
 石川一雄元死刑囚の完全無罪も認めていない警察、検察、裁判所側の人間を講師様とあがめている『市人研』の体質は何だろう。講師を選ぶとき誰も反対しなかったのだろうか、論議されなかったのだろうか。
 ことによれば『市人研』を脱会することになるかも知れない。たとえ、私が脱会しても、『市人研』はとてつもなく大きな組織なので痛くもかゆくもない。『市同研』には随分世話になったが、刑事を講師と迎える団体の会員には成り下がりたくない。
 今度の『蟷螂の斧』は『市人研』に向かう。相手にされないだろうなぁ。

 後日『市人研』に質問状を提出しようと思っている。今度は戦う相手が『市人研』。周りがみんな敵になりそう(笑)。

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2009年08月12日 07:29に投稿されたエントリーのページです。

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