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淘汰

 『びんぼう自慢』と言う書籍。
 5代目志ん生の自叙伝。昔落研の部室に置いてあった。
 凄まじい志ん生の生活。

 志ん生程ではないものの、私も結構貧乏な家庭で育った。

 ただ、自分の世界に入り込んでいたから、人の家を羨ましいとはあまり思わなかった。
 一つを除いて。

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 裕福な家庭の子、おそらくインテリジェンスの高い家だったと思う。

 その子の家にある百科事典は羨ましかった。

 おそらくブリタニカという百科事典だっただろうと思う。

 その子の家に遊びに行ってはブリタニカを読みふけっていた。

 「大人になったら必ずこの本を買うぞ!」と固く誓った。

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 就職して初任給でその本を買った。・・・となると美談だが、結局買わなかった。
 車になった。
 今でもブリタニカがあれば触手が動く(かもしれない)。

 ただ、今百科事典なんて売買されていない。
 スマホの窓を通して大英博物館所蔵より多くの情報が溢れている。

 いやはや便利になった。

 百科事典はモノの見事に淘汰されている。

 次に淘汰されるのは国語辞典。

 私は今でも書籍の国語辞典を使っているが、不便極まりない。

 まず字が小さすぎて読めない!ハズキルーペの宣伝に大賛成。

 スマホの音声入力ですぐ調べられる。

 国語辞典大好きな私でさえ、辞書から遠ざかっている。
 国語辞典も淘汰されていくのだろう。仕方ないね。金田一春彦先生も嘆いている(と思う)。

 三省堂も淘汰されるのではないだろうか。

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2018年06月12日 17:10に投稿されたエントリーのページです。

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