« 覚醒 | メイン | 1 »

前々回の続き

 その娘も
 「はい」と言えばいいのに、
 「身分を証明できるものをお願いします。」
 ときた。

 今は口座を開くときに身分の証明が必要らしい。
 30年前ははんこさえあれば小学生にでも口座が開けた。
 身分証の提示をしない私が悪い。でも腹が立ってきた。
 市役所での不快感といっしょ。

 しぶしぶ免許証をだす。
 その娘もイラッと来てるらしい、一挙手一投足に親切さがない。こんな客には当然。

 この用紙にご記入をお願いします。
 さっさと書いて渡す。

 しばらくすると
 「〇本様。」
 意外と速かった、すっかり気分を元に戻して、笑顔で
 「はい」
 「記入漏れがございます。」
 「すみません。」
 「ココお願いします。」
 観れば住所。 早良区〇団地〇〇
 「書いてます。」
 「福岡市をおねがいします。」
 規則なんだろう、書いてないこちらが悪い。ただ愉快さは消えた。
 「携帯番号をお願いします。」
 「持ってません。」
 「ではお待ちください。」
 だんだん気分が不快へ向かう。

 「〇本様」
 今度こそできたらしい。
 「免許所のコピーお取りしてよろしいでしょうか?」
 いいわけない。個人情報の山。
 「だめです。」
 そこで彼女の顔色が変わった。もちろん私も完全不愉快。
 「頂かないと、口座が開設できません。」
 「・・じゃあ、イイです。」結構屈辱感に浸った。娘のいいなり。
 どちらかというとS系だから尚悔しい。
 「では、しばらくお待ちください。」
 もう完全怒りモード。
 ただ銀行で感情をあらわにする愚は犯さない。

 「〇本様」
 ようやく出来た。
 受取ってさっさと帰ろう。
 「最後に、」
 「まだあるんですか。」
 娘も不愉快モードに入った。
 そこはプロ。慇懃無礼に笑顔で
 「反社会的活動はなさってませんか?」
 「何ですか?」
 「反社会的活動や団体に所属なさってませんか?」
 意味が解らなかった、文字変換もできない。
 ハンシャカイ的活動?ようやく反社会的活動と変換できた。

 ここまで何のトラブルもなく、さくさく口座を作ってくれてたら、
 「はい。」というが、もう完全に怒った。ただ、大きな声を出すことはなく、普通に
 「いえ、そこまでは言いきれません。どちらかというと反社会的な行動はやります。」
 娘の瞳が目になった。
 「では、口座を開くのが難しいです。」 
 「もっと解り易く説明して、私理解するのに時間がかかるから。」
 「それは、お客様が・・・。」
 「もういいから、責任ある人に説明してください。」
 といい終らないうちに後ろの方に座ってた楽〇みたいなおっさんが背広を着始めてた。

 長くなるので続く。
 いつまで続くやら。

About

2016年04月08日 06:18に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「覚醒」です。

次の投稿は「」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.32