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菅原文太

 楽狐に高倉健を抜かれたので、菅原文太。

 健さんにしろ、菅原文太にしろ、その芸は彼ら個人にしかできない。
 個人にしかできないから芸と言える。

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 ただ、そういいきってしまうと、演芸の場合、新世代は全く知らないまま終わる。
 だから、芸の伝達可能な者は次世代につないでいかなければならない。

 出落ち芸。
 大宮敏夫のひげ面を三波敏夫がうけて、カールおじさんがうけて、ビートたけしがうけて、
 そして粗忽家勘朝がたまに演る。
 次誰が演るか知らない。ただ、演芸へ畏敬の念を持ってる者が演ればいい。
 プロがやらなきゃ、大甘のアマチュアでもやらないよりまし。

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 私が4年に一度だけ演る。『三蛇調教』(スネークショー)も同じ理由。
 プロが誰も演らないから、演るだけ。
 ただ、プロは演れない。金縛り。

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 健さんと菅原文太芸を、落語で繋いだ。
 私はもう演らないが、バトンをもった者がいる。

 東国原がびーとたけしに頭が上がらないのは、
 政治と演芸の密度を心底知ってるから。

 『真面目な・・』という軽佻浮薄な話。実はとても深い。
 誰も気づいてないが映画青年でないと気付かない場面をたっぷり放り込んでる。

 菅原文太を知ってるとそれだけ親しめる。
 「したらなんですかぃ。その〇〇っちゅうのは、・・・。」
 この口調には『仁義なき戦い』に源泉がある。菅原文太への畏敬の念。

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 将来。
 落語を卒論に選択した者が、『真面目な・・』の鍵を紐解いてくれたら、こんな幸せはない。
 次、誰に繋ぐか・・、まぁいないだろうけど。

 ただ、落語には、そんな才能のある者は来ない。
 それが、落語(笑)。それでいい。

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2014年12月06日 18:56に投稿されたエントリーのページです。

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