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『紙の月』

 この作品の成功のカギは石橋蓮司。

 「あんた 、なんか勘違いしてる。」
 凄いセリフ。2014年のMVP科白。
 いつかこういう科白を似たシチューエションで発してみたい。

 宮沢りえをここまで惨めにできる役者はいない。
 また彼女も惨めさを見事に演じてる。
 凄いシーン。

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 宮沢りえの濡れ場があると噂を聞いて興味本位で観たが、過去10年遡って優良濡れ場。
 
 メグライアンの悲惨な濡れ場作品があった。タイトルさえ忘れた。あの程度だと高括って足を運んだ。

 比較にならない。美しい。

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 見せ場満載。
 普通ここまで褒めないが、鑑賞後24時間たっても褒めるに惜しまない。

 宮沢りえが疾走する画像がまた美しい。
 自分が中長距離を疾走したから、走りの美しさには審美眼を持ってる。

 『ラン・ローラ・ラン』
 『タイム』 アマンダセイフランドのピンヒールラン
 に負けない美しさ。
 宮沢りえが中距離ランナーも演技できるとは知らなかった。
 かかとに電球付けてカメラで撮ったら、綺麗なサインカーブを描いてる。

 ランナーの美しさはかかとの回転。
 ゾーラ・パッドとメアリー・デッカーの回転は正確な円形を描いてた。(蛇足)

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 大きな穴が二つ。

 彼女が恋する若者があまりにショボイ。
 ミスキャスト。誰かは知らないが、所詮消耗品役者。
 岡田を持ってこい。岡田をよく知らんが・・・。旬らしい。

 もう一つの大きな穴。
 タイトルになってる。
 『紙の月』
 冬場に明け方見える月齢三日の月ではない。

 冬場の午前7時に月齢三日に月は作品中ほど清明ではない。
 それを『紙の月』と表現するなら原作者の想像としか言えない。
 ヘビーウォッチャーはそこまで追究する。
 しかも初等教育で天体を教えてる者は簡単に気が付く。


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 仕込み満載。

 ラストの仕込みは見抜けなかった。月表現の失敗をチャラにする。
  「やられたぁ!感」でリピーターになる。
 レンタルでは観てはいけない。

 映画に対する畏敬の念で観に行くこと。
 おススメ。
 ラストの伏線を見抜けたら、生ビール半年分おごる(笑)。ホントの話。
 久しぶりに映画をここまで褒めた。気分いい。

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2014年11月17日 21:17に投稿されたエントリーのページです。

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