和事の芸ごとに著作権はない。
芸のDNAを遡れば、お神楽まで行きつくだろうが、それは、パクリの連鎖。
その妙が面白い。
歌舞伎名作『勧進帳』は、『安宅』のパクリ。
落語『寿限無』は大乗仏教【無量寿経】のパクリ。寿限無の名前なんて、取ってつけたようなもの。
芸の、源泉を探る面白さもある。
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『天竺徳兵衛新噺』
あちこちからパクってる。
『桜門五三桐』
『博多小女郎浪枕』
『東海道四谷怪談』
『鳴神』
もっとあるのだろうけど、残念ながら歌舞伎は素人。
素人なりに、気付く楽しみがある。
この場面は、アレから来てる。このセリフはあれだ!
「松浦潟 浜の真砂は尽きるとも 世を盗む身や 望み尽きまじ」
これって≪本歌取り≫のカテゴリーに入れていいのだろうか。
日本人の五右衛門好きがよくわかる。
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【地雷也=ジライヤ】の原点に、『天竺徳兵衛』があると気付いた時は、結構嬉しかった。
著作権。
アングロサクソンのイデオロギーに犯されていると、和事の醍醐味は理解できない。