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『BURLESQUE』twice

 確かめたいことが色々あって、『バーレスク』2回目。

 よくよく観るとこの映画の深さと、なぜ当たらなかったかが見えてくる。

 確か講談社新書(だったと思う、とりあえず私のことだからヨタだけど)の『アメリカ映画を読み解く』にハードパワーとソフトパワーということが書いてあった。

 ハードパワーは、スタローンの映画に象徴されるような、【パワー イズ ビューティフル】映画。戦争、ギャング、ダーティハリー。(決してこれを否定してるわけじゃない。)
 そのアンチテーゼとしてのソフトパワームービー。

 『バーレスク』はそういう映画。単純なサクセスストーリじゃない。主人公は勝者の道を選んでない。結局2流を選んでいる。
 
 ホントに成功したいのなら、彼女は冷血になってたハズ。
 だから、映画として日本では興業成績を上げてないのではないか。
 私が知らないだけで、上げてるのかもしれないけど。


 もう一つこの映画を解くカギは【ジェンダー】。
 ゲイを真正面に置いている。

 陽の当らない【退廃的な館】(画中では【日当たりのいい窓のない館】)を、ぶち壊して、誰もが幸福感を味わえる【日の当たるモール】に替えようとする。そのような、健全な計画をぶち壊す。実にすがすがしい構想を、ぶち壊す。
 石原慎太郎なら「唾棄すべき計画」というかもしれない(想像だけど)。

 陰より陽がいい、だけではない。といった伏線がある。島根鳥取県人が泣いて喜ぶ伏線。

 一回観ただけでは見逃してしまうコンテンツやセリフが、散りばめられてある。 
 350くらいの席に12人しかいなかった。マイノリティ映画。

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2011年05月07日 23:17に投稿されたエントリーのページです。

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