確かめたいことが色々あって、『バーレスク』2回目。
よくよく観るとこの映画の深さと、なぜ当たらなかったかが見えてくる。
確か講談社新書(だったと思う、とりあえず私のことだからヨタだけど)の『アメリカ映画を読み解く』にハードパワーとソフトパワーということが書いてあった。
ハードパワーは、スタローンの映画に象徴されるような、【パワー イズ ビューティフル】映画。戦争、ギャング、ダーティハリー。(決してこれを否定してるわけじゃない。)
そのアンチテーゼとしてのソフトパワームービー。
『バーレスク』はそういう映画。単純なサクセスストーリじゃない。主人公は勝者の道を選んでない。結局2流を選んでいる。
ホントに成功したいのなら、彼女は冷血になってたハズ。
だから、映画として日本では興業成績を上げてないのではないか。
私が知らないだけで、上げてるのかもしれないけど。
もう一つこの映画を解くカギは【ジェンダー】。
ゲイを真正面に置いている。
陽の当らない【退廃的な館】(画中では【日当たりのいい窓のない館】)を、ぶち壊して、誰もが幸福感を味わえる【日の当たるモール】に替えようとする。そのような、健全な計画をぶち壊す。実にすがすがしい構想を、ぶち壊す。
石原慎太郎なら「唾棄すべき計画」というかもしれない(想像だけど)。
陰より陽がいい、だけではない。といった伏線がある。島根鳥取県人が泣いて喜ぶ伏線。
一回観ただけでは見逃してしまうコンテンツやセリフが、散りばめられてある。
350くらいの席に12人しかいなかった。マイノリティ映画。