勘楽の独演会が終わった。
『三人会』と『正朝独演会』に挟まれて、お客様のお越しを心配していたが、たくさん来ていただいた。勘楽だからこそ、観に来るお客様がおられる。
『星野屋』『浜野矩規』の2席。あまりに渋すぎるセレクト。勘楽らしい。
私が言うのもおかしいが、よく出来ていた。かなり良く出来ていた。
『星野家』は稽古段階で心配した。
全体稽古でみんなから『総ダメ出し』喰らって、凹んでいただろうに、よく完成させてきた。しかも、皆の意見をちゃんと取り入れて。
『浜野矩規』に関しては勘楽のもっとも得意とするジャンル。
しかも、稽古し倒して臨んだ。小学校の図書室でひっそり稽古した時より、またうまくなっていた。
勘楽。今回の独演会で、見事に4人の女性を演じ分けた。
『星野屋』での花柳界の女。その母。
『浜野矩規』、矩規の母。そして、噺には出てこないが若狭屋、骨董屋の女房。一言もしゃべらないが、観ている者には見えた。
勘楽の面目躍如。
微妙な心理描写を、18年間培った表現力でお客様に味わっていただいていた。
スタッフがインフルエンザや諸事情で休みが多かった。
居合わせることが出来なかった会員は、とても残念だった。
今回の出来を、一緒に味わうことが出来なかった。それくらい良かった。
ここの所、
『子別れ』勘也
『らくだ』勘米
『不動坊』勘々
『浜野矩規』勘楽
と、大ネタのネタおろしで、クリーンヒットが続いている。
やっぱり落語は稽古だなぁ。とつくづく思う。
アスリートは稽古しすぎると、故障する。
落語は稽古しすぎて困ることは何もない。
いや、・・・人生が故障するというこも、たまにある。この故障は修理が効かないから困る。