ある人のエッセイにこう書いてあって、
それで「ルサンチマン」という言葉を知った。
この言葉を聴いて、真っ先に思い浮かんだのが、
「ナッツリターン」事件のその後の流れ。
まず、あれだけ大きい会社、しかも航空会社も抱えているグループ
(韓進はほかにもたくさん企業があり、私立大学も傘下になっている)で、
会長の子どもだからということだけで、若くして役員になること自体が、
無理な話だとは思う。
しかも、あの暴挙。
会社は、なんでも自分の自由になるって思っていて、
今までも自由にふるまっていたんだろうね。
じゃないと、ああいうことはできない。
かなりかなり譲って、事件のことはおいといて、
その子息に経営手腕があったとしても、
「社員全員ががんばっているから、私もがんばります。」
という謙虚さを、嘘でも見せといたほうがうまくいくんじゃないの?と思う。
で、タイトルの話に戻ります。
事件後、韓国でのネットでの攻撃がそれはそれはすさまじく、
思いっきりたたかれてて、「ネットリンチ」に遭ってる状況。
「ルサンチマン」炸裂してるな、と。
実は、韓国にはそうなる土壌があって、
2011年の財閥10社の売上高が、
なんと韓国の国内総生産の76.5%を占めるんだそうです。
財閥企業の就業人口は、確か9%ぐらい。10%いきません。
たとえ就職できても、60歳までは勤務できず、
40代、50代で退職させられるケースも・・・。
そしてそして。
韓国の財閥企業経営者たちは、犯罪を起こしても拘留されなかったり、
裁判沙汰になっても相対的に軽い判決になることが多い。
あきらかに「有銭無罪」。
たとえ前科がついても、また経営に戻ってくることもしばしば。
いびつすぎますよね。
お給料も、財閥企業に入れるかどうかで全然違います。
あれだけ勉強して頑張っても財閥に就職できず、
経済的にも苦しい多数になる→「ルサンチマン」が大爆発する、
という不安定さを、韓国の社会、政府が作っているのです。
日本も似たようなものでしょうか?
私は企業で働いたことがほとんどないし、仕事も結構特殊なので、
企業の構造はよくわからないのですが、
今まで仕事をしてきてよくわかったのは、日本でも韓国でも、
「旧も含めて、財閥系の企業は結構メンドクサイ」です。
で、最初の話。
抽象的だけど、そのエッセイを書いた人は、
「ルサンチマン」になってはいけない。
そして、自分は周囲に惑わされず、
自らの信念に基づいて誠実に生きたい、と言っていた。
ひと言で「きれいに生きる」と表現していたのですが。
その通りだと思う。
でも、完全実行するのも難しいとも思う。
なぜなら、相対的なものが人生の目標になり、生きている人も多いから。
「ルサンチマン」とはちょっと離れる
(弱者→強者への嫉妬だけではないから)例だけど、
・あいつより、先に結婚してやる
・あの子よりもお金持ちの旦那を見つける
・同期の中で一番に出世したい
・隣の家の子どもよりいい学校にやりたい
極端な例だけど、
そういうモチベーションが実現へと導く例は少なくないから。
ただ、長くは続かない。
私は・・・・。うーん・・・。
仕事においては、たとえば通訳をするときは、
その対象がどんな人であろうと、同じ態度です。
現場がパーティーのスピーチの通訳であろうと、警察署での通訳であろうと、
憐みや憎悪、羨望や嫉妬、そういう感情を一切抱かず、
ただ淡々と両者をつなぐことに集中するのみ。
「セレブだからサービスする」、ということもない。
「場に合わせた行動」はしますけどね。服装とか。
終わった後に色々考えることはあるけど、まぁ感想程度と言うことで。
あとは仕事に対する、自己評価をするぐらいで、
「あの人(その現場にいた誰か)と比べて、自分は・・・。」
という、正負の感情自体、持ちません。
周囲にはそう見えていないのかもしれないし、
答えにもなっていないのかもしれないけど、
「きれいに生きたい」とは思う。
仕事についてもそうだし、仕事以外でも、
私はできる限り誠実に、嘘をつかず、
他人におもねず、嫉妬せず、振り回されずに、生きたい。
自分の信じていることに時間を使い、努力し、苦労したい。
夫を振り回してることは否定できませんが(笑)。
とかいってー、実は、来年早々、
トレンチコートを買おうとしています。
しかも、夫に内緒で。これ読んでるようなので、そのうちバレますが(笑)。
「ルサンチマン」と関係ないんですが、物欲には振り回されてます(笑)。