『外面菩薩 内面夜夜叉』
女性のことをこう表現する。
十代目文治師匠の『お血脈』のまくらに出てくる。
特に美しい女性に使われる。語源は歌舞伎から。
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女性は外面だけで判断してはいけないということ。
私が言うのもなんだけど、連れ合いはとっても綺麗。
(彼女がこの日記を日々チェックしてるからここは点を稼いで)
彼女のすっピンを視たら驚く。眼が2/3程になる。小じわも目立つ。
眉がないと人はこんなに違うのかとおどろく。
彼女いわく
「化粧のラストの眉描きで一日の勝負は決まる。」
のだそうだ。
そういえば、眉を書きそこなった朝は時間があれば、
シャワーを浴び直して、再度化粧が始まる。
50代だからソレは仕方が無い。
「それで仕事行けばいいやん。」と私。
「ウチのタレントに示しが付かんやん。」と彼女。
彼女は小さいながらもイベント会社経営者の一人として名を連ねている。
昔は代表取締役で結構辣腕をふるってた。キッズタレントも多く抱えていた。
タレントと言っても、名前を表示する分オアシを戴いていた。
それが例の大津波で博多駅のオープニングイベントで多額の借金を背負った。
小さなイベント会社が全部かぶったそうだ。
傍で観てるのが可哀そうで、資金を少なからず提供した。
そこからの腐れ縁。
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初めは結婚していたから私も自重していたが、今では立派なシングルマザー。
で、今はお互いが逢いたいときあって、離れてる時は3カ月合わないこともある。
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「こんなハゲのおっさんと歩いてたら恥ずかしいだろ?」
「別に、年相応よ、『ブルース・ウィルス』みたいでカッコイイよ。」
思わずのろけてしまった。
私はシングルマザーを心の底から尊敬している。
彼女の朝の15分は魔法の15分。化粧部屋に入る前と出てくる15分後は全く別人。
私の部屋なんだけど。
化粧している姿を見ようとすると、烈火のように怒る。
彼女ほど化粧のテクニックを持っている人を知らない。
国家試験にしたら間違いなく特Ⅰ級を持つ。
ピンヒールのパンプスを履くと背筋までピンと伸びる。
南区の〇心が住居を構える夏祭りの司会をやってた頃など、反り返る位背筋が伸びていた。
頬のたるみを無くすために、含み綿をしている。2時間おきに変えるらしい。
物の見事にホウレイ線小鼻から唇までの皺、がなくなる。マジックのネタにしていい。
涙ぐましい。
毎朝ガムを噛んでる。口周りの筋肉が鍛えられるらしい。
出て行く時、捨て場所が無い時私の口に捨てていく。
何とかという女性お笑いタレント
「味のしなくなったガム、いつまで噛んでるの?」アレを思い出して情けなくなる。
ガールズが懸命に働いている姿は美しい。
もっと高いヒールを履きたいらしいが、足が小さいのでサイズが無いらしい。
小学生くらいのサイズ。
シルバーの鬘(かつら)がよく似合う。「〇ん〇く」で使った。
(これ以上書くとウチの連中にばれる(笑)。)
そのシルバーヘヤーで、某高級ホテルのラウンジで飲んでたら、
ショーン・コネリーから(間違いなく本人)。
「お前は何人か?」と尋ねられた。
彼女は英語が堪能いろいろしゃべっていた。全く解らない。
後で聴いたら、
「ロシア人と間違えられたらしい。鬘を獲ってみろと言われたが、ピンで留めているから無理」
と応えたらしい。
彼女がストレスのため円形脱毛症になっていることを知ってる。彼女の賢明さに頭が下がる。
出来るものなら、少ない私の髪を上げたい。
鬄(かもじ)というのを入れてるらしい。どうせ読まれるだろう。しばらく逢ってくれない。
(『四谷怪談』でお岩さんが、「櫛入れ」してどっと髪がぬけるあれ。先代歌右衛門は倍ほどつかってた。)
別人になる。
高いヒールの履き過ぎで外反母趾気味。
たまに足指を伸ばしてやる。効果ははなはだもどかしい
で、今日の話題
『外面菩薩 内面夜夜叉』別に連れ合いの性格が悪いというのではない。
極めてお金に厳しい。ドライ。
シングルマザーとして生き抜いていくなら外で笑って内側で鬼にならざるを得ない。
彼女はちゃんとそれで母娘で生き抜いている、祖母も一緒。
私の援助など全く必要としてない。私も援助などしようと思わない。
こっちが援助してもらいたい。無収入。
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とにかく、今の日本国。女性の方が生活力がある。
がんばれ日本の青年男子。草食系なんてバカにされるんじゃない。がんがん喰らいまくれ。
粗忽家勘朝は60歳すぎても失恋に喘(あえ)いでいる。